こんにちは、スポーツ・ダイジェスト・ネットの運営者のアキです。
大谷翔平選手のマンダラチャートを検索すると、81マスの画像や内容、目標達成シート、8項目、運、ゴミ拾い、人間性、メンタル、作り方、テンプレートなど、さまざまな情報が出てきます。
さらに調べていくと、マンダラートやオープンウインドウ64、OW64という言葉も登場するので、いったい何が正確なのか分かりにくくなってきますよね。
特に気になるのは、高校時代の大谷翔平選手が中央に何を書き、周囲にどんな目標を置いていたのか。そして有名なドラ1・8球団やスピード160km/hという目標を、実際にはどこまで達成できたのかというところではないでしょうか。
私自身、学生時代に硬式野球部で白球を追い、社会人になってからも軟式野球を続けてきました。長くスポーツを見ていると、選手の才能や結果だけではなく、そこへ向かう考え方や毎日の積み重ねが気になってきます。大谷選手の目標達成シートも、成功者のすごい話として眺めるだけでは、少しもったいないと私は感じています。
この記事では、大谷翔平選手の高校時代のマンダラチャートについて、81マスの仕組みと64の具体的な内容を整理しながら、なぜ運や人間性まで目標に入れたのか、ドラフトの目標は本当に達成されたのか、そして私たちが自分の目標設定にどう生かせるのかまで、分かりやすく掘り下げていきます。
【記事のポイント】
- 大谷翔平選手の81マスと8つの主要要素
- 運や人間性に込められた目標設定の考え方
- ドラ1・8球団など高校時代の目標と実績
- 自分でも使えるマンダラチャートの作り方
大谷翔平のマンダラチャート全内容を解説
まずは、大谷翔平選手のマンダラチャートそのものを見ていきましょう。検索している方が最初に知りたいのは、やはり「何が書いてあったのか」ですよね。中央の目標から8つの主要要素、さらに64の具体的な行動まで順番に整理すると、このシートの面白さがかなり見えてきます。
高校時代に作った目標達成シートとは
大谷翔平選手のマンダラチャートとして広く知られているのは、花巻東高校時代に作った9×9、合計81マスの目標達成シートです。
大きな特徴は、ただ「プロ野球選手になりたい」「速い球を投げたい」と夢を書くのではなく、最終目標を実現するために必要な条件をいくつもの段階に分けていることです。
中心に置かれていた大目標は「ドラ1 8球団」です。その周囲に、体づくり、コントロール、キレ、スピード160km/h、変化球、運、人間性、メンタルという8つの要素が配置されています。
野球経験のある私から見ると、ここでまず興味深いのは、8項目すべてが野球技術ではないことです。
コントロール、キレ、球速、変化球までは高校球児らしい内容ですよね。ところが同じ位置に、運、人間性、メンタルまで並んでいます。
つまり大谷選手は、投げる技術だけを高めればドラフト1位に近づけるとは考えていなかったことになります。身体、技術、精神面、日常での振る舞いまで含めて「ドラフト1位になるために必要な自分」を組み立てていたわけです。
なお、高校入学時に「8球団から1位指名を受ける選手になること」と「160キロ到達」を目標にしていたことは、侍ジャパン公式サイトでも紹介されています。(出典:侍ジャパン「大谷翔平選手、花巻東時代に2度の甲子園出場、故障を乗り越え160キロ到達!」)
ただし、ここで一つ大切なことがあります。ネット上には自筆とされるシートの画像が数多く掲載されていますが、今回扱う具体的な64項目は、現在公開されている複数の再掲資料を照合して整理したものです。
大谷選手本人や花巻東高校が、原本を公式デジタル資料として81マスすべて公開しているわけではありません。そのため、「ネットにある画像だからすべて本人公式」と考えるのではなく、中央目標など公式資料でも確認できる部分と、後年の再掲資料から確認されている部分を分けて考えるのがよいでしょう。
大谷翔平選手を扱う記事だからこそ、私は「有名だから正しいだろう」で済ませず、分かっていることと確認しきれないことを分けて見ていきたいと思います。
81マスの仕組みと中央のドラ1・8球団
マンダラチャートの基本は、中央から外側へ目標を広げていくことです。
まず3×3の9マスを考えてみてください。真ん中に最終的な目標を一つ書き、その周囲の8マスに「その目標を達成するために必要なもの」を書きます。
大谷選手の場合、中心がドラ1・8球団です。
| 位置 | 内容 |
| 周囲 | 体づくり |
| 周囲 | コントロール |
| 周囲 | キレ |
| 周囲 | スピード160km/h |
| 中央 | ドラ1 8球団 |
| 周囲 | 変化球 |
| 周囲 | 運 |
| 周囲 | 人間性 |
| 周囲 | メンタル |
そして、この8項目を今度はそれぞれ別の3×3ブロックの中央へ移し、その周囲にさらに8つずつ具体的な項目を書いていきます。
8項目×8項目なので、外側に64の具体項目ができます。
ここでよく「81個の目標を書いた」と説明されるのですが、厳密には少し違います。
9×9なので見た目は81マスですが、内容としては「中央の大目標1つ+8つの主要要素+64の具体項目」です。8つの主要要素が外側のブロック中央にも再掲されるため、異なる内容として数えると73項目になります。
これを理解すると、81個もの別々の夢を無理やり考える仕組みではないことが分かります。
大きな夢を考えて終わるのではなく、「では何が必要か」「では明日から何をするか」と一段ずつ具体化していくための仕組みなんですね。
そして中央にあるドラ1・8球団についても、「8球団から指名される」という数字だけを見るより、そこから日常行動まで逆算していったことの方が、私は重要だと思っています。
目標達成に必要と考えた8つの要素
大谷翔平選手が中央目標の周囲に置いた8要素を、改めて整理してみましょう。
| 主要要素 | 狙いを読み解くポイント |
| 体づくり | 技術を支える身体の土台 |
| コントロール | 狙った場所へ投げる再現性 |
| キレ | 打者が感じる球質の向上 |
| スピード160km/h | 具体的で測定しやすい能力目標 |
| 変化球 | 投球の幅と打者への対応力 |
| 運 | 自分から良い流れを呼び込む行動 |
| 人間性 | 周囲から信頼される人物になること |
| メンタル | 試合や日常で心を安定させること |
私が高校時代に野球をやっていた頃を思い返しても、「球を速くする」「コントロールを良くする」「変化球を覚える」という発想はとても分かります。
でも、高校生が自分の将来を考えたときに、人間性や運を技術と同じレベルで並べるところまで考えるのは、なかなかできることではありません。
しかも「運が良くなりたい」で終わっていないんです。後ほど詳しく紹介しますが、あいさつ、ゴミ拾い、部屋そうじ、道具を大切に使うといった、今日からでもできる行動へ落としています。
抽象的な目標を、自分でコントロールできる行動へ変えている。
私はここが、この目標達成シートの一番面白いところではないかと思います。
また、「スピード160km/h」のように数字で確認できるものと、「人間性」のように数字では簡単に測れないものを同時に置いている点も特徴的です。
スポーツ選手の成長は、タイムや球速だけでは測れません。身体の状態、技術、考え方、チームメートとの関係、周囲からの信頼など、いろいろなものが重なります。
大谷選手のチャートは、それらを一枚の中で見渡せる形にしたもの、と考えると分かりやすいですよ。
8要素から広がる64の具体的行動
では、8つの主要要素を大谷選手がどのように具体化していたのか見ていきます。
以下は、公開されている複数の再掲資料で広く確認されている内容を整理したものです。媒体によって漢字や表現などにわずかな違いがあるため、読みやすい表記に統一しています。
| 主要要素 | 8つの具体項目 |
| 体づくり | 体のケア/サプリメントを飲む/FSQ90kg/RSQ130kg/食事 夜7杯・朝3杯/可動域/スタミナ/柔軟性 |
| コントロール | インステップ改善/体幹強化/軸をぶらさない/不安をなくす/メンタルコントロールをする/体を開かない/下肢の強化/リリースポイントの安定 |
| キレ | 角度をつける/上からボールをたたく/リストの強化/下半身主導/可動域/回転数アップ/ボールを前でリリース/力まない |
| スピード160km/h | 軸でまわる/下肢の強化/体重増加/肩周りの強化/ピッチングを増やす/ライナーキャッチボール/可動域/体幹強化 |
| 変化球 | カウントボールを増やす/フォーク完成/スライダーのキレ/左打者への決め球/奥行きをイメージ/ストライクからボールに投げるコントロール/ストレートと同じフォームで投げる/遅く落差のあるカーブ |
| 運 | あいさつ/ゴミ拾い/部屋そうじ/審判さんへの態度/本を読む/応援される人間になる/プラス思考/道具を大切に使う |
| 人間性 | 感性/愛される人間/計画性/感謝/継続力/信頼される人間/礼儀/思いやり |
| メンタル | はっきりとした目標・目的を持つ/一喜一憂しない/頭は冷静に心は熱く/雰囲気に流されない/仲間を思いやる心/勝利への執念/波をつくらない/ピンチに強い |
こうして一覧にすると、かなり具体的ですよね。
私が特に面白いと感じるのは、似た言葉が何度か登場していることです。
例えば可動域は体づくりだけでなく、キレやスピードにも関係しています。体幹強化や下肢強化も複数の目標につながっています。
これは決して悪い重複ではありません。
むしろ一つの行動が複数の能力向上につながることを示しているように見えます。
例えば下半身を強くすることは、球速だけではなく、投球フォームの安定やコントロールにも関係してくるでしょう。目標を細かく分けたことで、それぞれがバラバラになるのではなく、逆に「この練習は何につながっているのか」が見えやすくなります。
FSQ90kgやRSQ130kgなどの略記については、公開されている再掲シートで使われている表記をそのまま扱っています。高校時代のトレーニング内容を現在の一般選手がそのまま真似するための数値ではありません。
特にトレーニング量や重量、食事量などは年齢や体格、競技レベル、健康状態によって大きく変わります。大谷選手の高校時代の数字を「成功するための正解」と考えるのではなく、自分の大目標を具体的な行動へ分解した例として見るのがおすすめです。
運にゴミ拾いやあいさつを入れた意味
大谷翔平選手のマンダラチャートで、最も有名な部分の一つが「運」です。
運の周囲には、あいさつ、ゴミ拾い、部屋そうじ、審判さんへの態度、本を読む、応援される人間になる、プラス思考、道具を大切に使う、という8項目が置かれています。
ここだけを見ると、「ゴミを拾えば野球がうまくなるの?」と思う方もいるかもしれません。確かに、ゴミを一つ拾ったから次の試合でホームランが打てたり、球速が上がったりするわけではありません。
ですから、ゴミ拾いをすれば科学的に運が上がるといった話にしてしまうのは違うと私は思います。
大事なのは別のところです。
運という自分では直接コントロールできないものを、自分が今日から実行できる8つの行動へ置き換えていることです。
試合の勝敗には、自分ではどうにもならないことがあります。
打った球が野手の正面へ飛ぶこともあれば、詰まった打球がヒットになることもあります。審判の判定、天候、対戦相手の調子など、スポーツには自分一人では動かせないものがたくさんあります。
それでも、自分の態度や行動なら変えられます。
あいさつをする。道具を大切にする。部屋をきれいにする。本を読む。周囲から応援されるような人を目指す。
私は学生時代から長く野球を見てきましたが、これは競技力そのものとは別のようでいて、長いスポーツ人生ではかなり大きな意味を持つ考え方だと思います。
一人だけでは野球はできません。指導者、仲間、家族、審判、グラウンドを整備してくれる人など、本当に多くの人が関わっています。
だからこそ「運」の中に、単なる願掛けではなく、周囲との関係や自分の姿勢につながる項目を置いたところに、このチャートの特徴が表れているのではないでしょうか。
大谷翔平選手のマンダラチャートを「ゴミ拾いをしたから世界的選手になれた」という成功物語だけで終わらせず、自分で変えられないものに悩み続けるより、自分で変えられる行動へ目を向けるという考え方として見ると、私たちにも応用しやすくなります。
大谷翔平のマンダラチャートから学ぶ目標設定
ここからは、81マスの内容を知るだけでなく、なぜこの目標設定が興味深いのかを考えていきます。「大谷選手が書いたからすごい」という話ではなく、目標と行動のつなぎ方、実際に達成したこと・しなかったこと、そして自分で使う場合の考え方まで見ていきましょう。
人間性とメンタルを重視した理由
大谷翔平選手の8要素の中で、「運」と並んで特徴的なのが人間性とメンタルです。
人間性の8項目は、感性、愛される人間、計画性、感謝、継続力、信頼される人間、礼儀、思いやり。
メンタルには、はっきりとした目標・目的を持つ、一喜一憂しない、頭は冷静に心は熱く、雰囲気に流されない、仲間を思いやる心、勝利への執念、波をつくらない、ピンチに強い、という言葉が並びます。
技術項目と比べると、すぐ結果が数字に表れる内容ではありません。
しかし競技を長く続けることを考えると、かなり重要なものばかりです。
例えば「一喜一憂しない」。野球は失敗の多いスポーツです。打者なら10回のうち3回打てれば非常に高いレベルですし、投手でも毎球完璧なボールを投げることはできません。
一つの失敗を引きずって次のプレーまで崩してしまえば、本来の力は発揮できません。
大谷選手は後年の本人インタビューでも、良かったこと、悪かったこと、翌日に試すことなどを記録しながら改善していることを語っています。また、調子が良いときであっても、もっと良くなる方法を探して試していく姿勢を示しています。
ただし、ここで注意したいことがあります。
大谷翔平選手が現在も高校時代と同じ81マスのマンダラチャートを使い続けている、と確認できる公開情報はありません。
高校時代のシートと、その後の大谷選手の考え方には共通して見える部分がありますが、「現在も毎年マンダラチャートを書いている」と断定するのは避けるべきでしょう。
私が興味深いと思うのは、シートそのものを続けているかどうかではなく、目標を決める、実行する、振り返る、改善する、また試すという流れです。
これは野球だけではありません。
私はスキーでSAJ1級を目指していた頃、毎週末のように雪山へ通い、指導を受けながら技術を一つずつ直していきました。もちろん当時マンダラチャートを使っていたわけではありませんが、大きな目標ほど、一度に全部うまくなることはできないという感覚はよく分かります。
だからこそ、やるべきことを細かく分ける考え方には共感するところがあります。
マンダラチャートはいつ何歳で作った?
大谷翔平選手の目標達成シートは、花巻東高校1年時に作成したものとして広く知られています。
つまり、メジャーリーグでMVPを獲得してから成功の理由を振り返って作ったものではありません。
まだ将来がどうなるか分からない高校生の時点で、自分が目指す姿と、そこへ到達するために必要だと考えたことを書いていた点に大きな意味があります。
大谷選手の花巻東高校時代をさらに時系列で知りたい方は、大谷翔平選手の高校時代から現在までの背番号とキャリアをまとめた記事もあわせて読むと、高校から日本ハム、侍ジャパン、MLBへ進んだ流れが分かりやすいですよ。
一部では具体的な作成日まで紹介されており、マンダラチャート協会では2010年12月6日として紹介されています。
ただ、作成年月日については少し慎重に見た方がよいでしょう。
今回確認できる公式・一次情報では、具体的な作成日まで確定できる資料は限られています。そのため、この記事では高校1年時に作成した目標達成シートという表現を基本としています。
一方で、中央に掲げた「8球団から1位指名を受ける選手になる」という高校入学時の目標や、160km/hという球速目標については、大谷選手を扱った野球関連の公式資料でも確認されています。
ここで私は、自分の高校時代とどうしても比べてしまいます。
高校球児なら「甲子園へ行きたい」「レギュラーになりたい」「もっと速い球を投げたい」といった目標を持つことは珍しくありません。
でも、最終目標だけで終わらず、身体づくりや投球技術だけでなく、礼儀、感謝、掃除、読書、メンタルまで一枚のシートに落とし込むとなると話は別です。
高校生の段階で未来の結果を当てたことよりも、将来の大きな目標から、今の自分がすることへ逆算していたことの方が、参考にする価値は大きいと思います。
ドラ1・8球団など目標は達成した?
大谷翔平選手のマンダラチャートについて、よく「書いた夢を次々と実現した」と紹介されます。
確かに、後の活躍を見ると驚かされる項目はたくさんあります。
しかし、ここは少し冷静に確認しておきたいところです。
中央目標に書かれていたのはドラ1・8球団です。
2012年のプロ野球ドラフト会議では、北海道日本ハムファイターズが大谷翔平選手を1位指名しました。(出典:NPB日本野球機構「2012年 北海道日本ハムファイターズ選択選手一覧」)
つまり、8球団からドラフト1位指名を受けたわけではありません。
中央に書いた数字を、そのまま現実にしたわけではないんですね。
| 高校時代の目標・テーマ | その後を見るポイント |
| ドラ1 8球団 | 日本ハムからドラフト1位指名。8球団という数字そのものは未達 |
| スピード160km/h | 高校時代に160km/hを計測し、大きな注目を集めた |
| 体づくり | プロ入り後も身体づくりを続けながら競技レベルを高めた |
| 変化球・コントロール | NPB、MLBで投手として実績を積み重ねた |
| メンタル・継続力 | 長いキャリアの中で改善を続ける姿勢が本人発言にも表れている |
ここを正確に伝えることは、とても大切だと思っています。
なぜなら、マンダラチャートは未来を予言する表ではないからです。
書いたことがすべて実現する魔法のシートでもありません。
もし「81マスを書けば大谷選手のように夢がかなう」と伝えてしまえば、この方法の本当の価値から離れてしまいます。
中央目標の数字がそのまま実現しなくても、その目標を目指して身体をつくり、技術を磨き、毎日の行動を考えていった。その結果として、ドラフト1位でプロへ進み、日本プロ野球を経てメジャーリーグへ渡り、投打の二刀流というさらに大きな舞台へ進んでいきました。
MLBでの二刀流がどれほど異例なのかをもう少し掘り下げたい方は、大谷翔平選手がユニコーンと呼ばれる理由を解説した記事も参考にしてください。高校時代の目標から、その後どれほど珍しい選手へ成長したのかがつながって見えてきます。
重要なのは目標を100%予言どおり実現することではなく、その目標によって今日やるべきことが明確になること。私はそこにマンダラチャートの価値があると思います。
結果だけを見て「全部実現した、すごい」で終わるより、達成できなかった部分まで含めて考えた方が、私たちが目標設定に使うときにも現実的ですよ。
マンダラチャートとOW64の違い
大谷翔平選手について調べていくと、マンダラチャートだけではなく、マンダラート、目標達成シート、そしてオープンウインドウ64、OW64という名称が出てきます。
ここは少しややこしいところですね。
一般的には、大谷選手が高校時代に作った81マスのシートは「大谷翔平のマンダラチャート」という名前で非常に広く知られています。
マンダラチャートは、中央にテーマを置き、周囲へ8要素を広げ、さらに具体化する思考法として紹介されています。
一方、花巻東高校の佐々木洋監督が指導に取り入れた目標設定法について、原田隆史氏は原田メソッドのオープンウインドウ64(OW64)というツールとして説明しています。
そのため、「大谷翔平選手が使ったものは絶対にマンダラチャートで、OW64という説明は間違い」と単純に切り分けるのも正確ではありません。
読者としては、一般に大谷翔平選手のマンダラチャートと呼ばれている高校時代の81マス型目標達成シートには、OW64という名称・方法論で説明される系譜もあると理解しておくと分かりやすいでしょう。
また「マンダラート」という表記も検索するとよく見かけます。
似た9マス、81マス型の思考整理法や目標設定法について複数の呼び方や方法論が使われているため、記事によって名称が違うことがあります。
ですから、「マンダラチャート」「目標達成シート」「マンダラート」「OW64」という言葉を見つけても、名前だけで判断するのではなく、中央に大目標を置き、8つの要素から64の具体項目へ広げていく構造を確認すると理解しやすくなります。
なお、大谷選手自身がマンダラチャートという手法そのものを考案したわけではありません。
ここも時々混同されますが、大谷選手はこのタイプの目標設定法を使った著名な事例として知られるようになった選手です。
名称の違いにこだわりすぎて本質を見失うより、「大きな目標から具体的な行動へ分解する」という使い方に注目した方が、私たちにとっては役立つかなと思います。
81マスの作り方とテンプレート活用法
大谷翔平選手の目標達成シートを見ていると、「自分でも作ってみたい」と思いますよね。
基本的な作り方はそれほど難しくありません。
マンダラチャートは「大目標→8つの必要条件→64の具体的行動」という順番で考えると作りやすくなります。
中央に最終目標を書く
最初に、9×9全体の中央へ自分の一番大きな目標を書きます。
例えば高校球児なら「レギュラーとして甲子園を目指す」、受験生なら「第一志望校に合格する」、仕事なら「年間目標を達成する」といった形です。
できるだけ自分が何を目指しているのか分かる言葉にした方がよいでしょう。
達成に必要な8要素を考える
次に、「その目標を実現するには何が必要か」を8つ考えます。
野球なら、打撃、守備、走塁、体力、メンタル、生活習慣、チームワーク、分析などが考えられます。
ここで大谷選手の8項目をそのままコピーする必要はありません。
あなたが野手なら変化球や160km/hを入れても意味がありませんし、受験や仕事ならなおさらです。
大谷選手から学ぶのは項目そのものではなく、目標を分解する考え方です。
8要素をさらに8項目へ分ける
次に8つの主要要素を、それぞれ具体的な8つの行動や課題へ分けます。
例えば「体力」を一つの主要要素としたなら、睡眠、食事、練習計画、柔軟性、持久力など、実際に確認・実行できるところまで具体化します。
「メンタルを強くする」のような曖昧な言葉だけでは、明日何をすればいいか分かりません。
そこで「試合後に振り返りを書く」「ミスの後のルーティンを決める」のように、行動に変えてみます。
81マスを全部埋めることを目的にしない
いざ作ると、64項目をすべて考えるのは意外と大変です。
でも、空欄をなくすこと自体が目的ではありません。
無理に似た言葉を並べるくらいなら、実際に行動しながら「これも必要だった」と気づいたときに追加する方が意味があります。
テンプレートをExcelやスプレッドシート、PDFなどで用意する方法もありますし、紙とペンで9×9を書くだけでも十分です。
大切なのは形式よりも、作った後です。
一度作って終わりではなく、実行してみて合わない項目を修正したり、優先順位を変えたりする方が実用的です。目標が変われば中央を書き換えても構いません。
スポーツ、受験、資格取得、仕事、キャリア、習慣づくりなど、いろいろなテーマに応用できます。
ただし、トレーニング、食事、減量、健康管理などへ応用する場合は、大谷選手や他のトップアスリートの数値をそのまま真似しないでください。
身体づくりや運動負荷には個人差があります。数値はあくまでその選手、その時点の事例として考え、正確な情報は公式サイトをご確認ください。健康やトレーニングについて重要な判断をする場合は、最終的な判断は医師、トレーナーなどの専門家にご相談ください。
大谷翔平のマンダラチャートから学ぶこと
ここまで大谷翔平選手のマンダラチャートについて、81マスの内容、8つの主要要素、64の具体項目、運や人間性、ドラ1・8球団という目標、OW64との関係、そして作り方まで見てきました。
最後に、私がこの記事で一番伝えたいことをまとめます。
大谷翔平選手が成功したのは、マンダラチャートを書いたからではありません。
一枚のシートを書くだけで、160km/hのボールを投げられるようになるわけでも、メジャーリーガーになれるわけでもありません。
それでも、このチャートには大いに参考になる部分があります。
大きな目標を、能力、身体、考え方、日常行動まで細かく分解し、「今日の自分にできること」へ落とし込んだことです。
私は半世紀近く野球をはじめさまざまなスポーツを見てきました。
1978年には後楽園球場でシンシナティ・レッズの来日試合を観戦し、本場のメジャーリーガーのすごさに衝撃を受けました。その後も野球だけでなく、テニス、ゴルフ、スキーと、スポーツの技術や道具が大きく変化していく時代を見てきました。
野球についても、私が高校時代に教わった考え方と、現在の大谷翔平選手をはじめとするメジャーリーガーの打撃やトレーニング理論では、驚くほど違う部分があります。
だからこそ私は、「昔はこうだったから正しい」と決めつけず、新しい考え方を知ることそのものを楽しんでいます。
大谷選手のマンダラチャートにも、同じことを感じます。
注目したいのは、160km/hや変化球といった分かりやすい野球技術だけではありません。
運、人間性、メンタルまで、ドラフト1位になるために必要な要素として扱っていることです。
さらに運という曖昧なものを、ゴミ拾い、あいさつ、部屋そうじ、読書、道具を大切にするといった、自分から始められる行動に変えています。
これは野球選手でなくても使える考え方ですよね。
仕事でも、勉強でも、資格でも、「成功したい」「成績を上げたい」「もっと上手になりたい」という目標だけでは、今日何をすればいいか分かりません。
そこで一度立ち止まって、「そのためには何が必要なのか」「さらに、それを実現するには何をするのか」と分解してみる。
すると、遠くに見えていた目標と今日の行動がつながってきます。
そしてもう一つ大切なのが、最初に立てた目標どおりにならなくてもいいということです。
大谷選手自身、中央に書いた8球団からのドラフト1位指名を文字どおり実現したわけではありません。
それでもドラフト1位でプロ野球へ進み、二刀流に挑戦し、海を渡り、当時の高校生だった自分が書いたチャートをはるかに超えるようなキャリアを築いてきました。
目標は未来を縛るものではなく、今進む方向を見つけるためのものなのかもしれません。
そして、進んでいく途中で新しい目標が見えてきたら、また書き直せばいい。
私は、それくらい柔軟に考えた方が長く続けられると思っています。
大谷翔平のマンダラチャートから学べる本当のポイントは、「書けば夢がかなう」ことではありません。大きな目標を具体的な行動へ分解し、自分で変えられることを一つずつ積み重ねることです。
高校生だった大谷選手が書いた81マスを眺めるだけでも面白いですが、せっかくならあなた自身の目標にも置き換えてみてください。
中央の一マスに今の自分が本当に目指したいものを書き、そのために必要な8つを考えてみる。
そこから、あなた自身の81マスが始まります。
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